株式会社cocone fukuokaが運営するオンラインゲームコミュニティサイト「Hange(ハンゲ)」において、サービスされている老舗オンラインRPGゲーム「チョコットランド」が2021年2月3日、大量なアカウントがBANされるといういわゆる「春のBAN祭り」が開催されました。
この件についてTwitter、ハンゲ内ブログなどで非常に大きな話題を呼んでいるため、ことがうやむやになる前にこの記事でまとめていきたいと思います。
チョコットランド公式サイト:https://casual.hange.jp/chocotto/
公式サイトのヘッダー、左下の「現在の参加者」(接続者数)が記載されています。
BAN祭りの経緯
PC版チョコットランド、スマホ版「チョコットランドSP」をまとめて経緯を説明します。
14周年記念直前イベント「チョコスター配布」
2月15日にサービス14周年を迎える「チョコットランド」では、1月27日から2月17日までの3週間、毎日100ポイント、計2200ポイントがアカウント毎にもらえるクエストが受注できるイベントが開催されています。
「チョコスター」とは、ゲーム内のマーケット(プレイヤー間での取引が可能)でアイテムを購入するのに必要な通貨です。
配布イベント初日では、作ったばかりのアカウントでも1分程度のチュートリアル後直ぐにクエストを受諾でき、100ポイントを獲得できていました。
メインキャラがマーケットに100ポイントの売値を設定したアイテムを出品し、サブキャラでそれを購入することで一つのアカウントに安易に集約できる仕様となっています。
ここで問題となったのは、新規アカウントの作成制限です。PC版ではアカウントを作成するのにメールアドレスを登録する必要があり、1つ登録すると15分間の制限が設けられていました。
しかしSP版ではゲストプレイと呼ばれる、メアド登録なしにすぐ遊べるシステムが存在するため、高速にポイントを集めることができていました。
ところが、これを知った一部の古参プレイヤーは市場の混乱とゲームバランスの崩壊を見兼ねて、チョコラン運営に報告しました。
運営はイベント開始二日後の1月29日にすぐ、イベント参加条件を追加。ある程度ストーリーを進めてあるキャラでなければクエストNPCが出現しない仕様に変更されました。
このストーリーは20分程度かかるため、ゲストプレイによるポイント稼ぎは事実大きく効率が落ち、マーケットは落ち着きを取り戻したかのように思われました。
土日挟んだ2月3日、午後16時20分頃、チョコットランドをプレイ中のプレイヤー多数が一斉にサーバーから切断され、再ログインすると画像のような状態に陥りました。
しばらくしてTwitterやチョコットランドBBS、チョコットマート(後者2つはチョコランプレイヤーが取引によく使用するスレッド型掲示板)にBANされたとの報告が相次ぎありました。
19時30分頃、チョコットランド運営チームが公式サイトにおしらせ「規約違反での処罰対応について」として、処罰件数2835件と常時接続者数を大幅上回った件数のアカウントをBAN。
禁止事項と処分(引用)
以下はチョコットランド公式サイトのおしらせより引用。
2月3日(水)に利用規約の禁止事項に該当する行為を確認したIDにつきまして
処罰を行いましたのでご報告いたします。▼処罰件数
2835件▼該当禁止事項
5. 禁止事項
5-1 禁止事項
(3)同一のIPアドレスから、一般的な利用においては想定できない多数のIDを作成すること、
または一般的な利用においては想定できない多回数のログインを行うこと。また、処罰については下記の記載に則り対応を行っております。
5-2 違反した利用者に対する処分
3. 利用者が複数の利用者IDを保有している場合には、当社は、そのすべてのIDについて
これらの処分をすることができるものとします。
処分の対象となる利用者IDの保有者の同一性判断は、利用者が本サービスに接続した際のIPアドレス、
利用者が本サービスの利用登録時に入力したメールアドレス、
個々のネットワーク機器を識別するための装置固有の物理アドレス(Macアドレス)または
携帯電話ゲームコミュニティーポータルサイトの利用登録時に当社が利用者から取得する
携帯電話端末に固有の数字と記号の組み合わせ(個体識別番号)によって行うものとします。
主な処罰理由として
- 同一IPアドレスから、一般的な利用においては想定できない多数のIDを作成すること
- 一般的な利用においては想定できない多回数のログインを行うこと
上記該当者は、同一IPアドレスからの接続記録があれば、該当記録を持つすべてのIDがBANされ、またスマホなどの端末では識別番号が同一なものはすべて処分されるという。
公共ルーターや家族での共有は一切考慮していないようです。
ゲーム仕様などの背景
話題となった「チョコスター」2200ポイントは一体どれほど価値があるのか。
チョコットランドでは、一般的な無課金最強の物理職装備と言われる「虹装備」、「嵐装備」はおよそ1000ポイント。
ただし、最強の無課金装備をほぼ揃えたとしても、安い課金装備を揃えたプレイヤーの足元にも及びません。それほど「Pay-to-Win」なゲームです。
「Pay-to-Win」がいけないということは全くありません。ゲーム運営を存続させる上ではどうしても課金してもらわなければならないのと、課金装備はマーケットに出品が可能だからです。
無課金や微課金プレイヤーはマーケットを利用することで、安くても強い課金装備を買いそろえて少しずつ強くなっていくプレイスタイルがほとんどです。
ただその値段が安くても30000ポイント前後、高いと15万以上します。
そのために課金を控えるプレイヤーはゲーム内で頑張って金策をし、1時間程度では100~200ポイント稼ぐことができます(個人差があります)。
または、「課金売り」という課金で買ったゲーム内アイテムをマーケットに出品することも可能で、レートはおよそ1円=6ポイントになります。
あいまいなBAN基準が呼んだ騒乱
前述のとおり、今回の運営が不正行為と定めたのは同一IPアドレスからの多数接続になります。
そもそも、サブキャラ作成自体はハンゲでもチョコットランドでも禁止されておらず、その数に関してもはっきりとした制限はなく、今までに規制されたこともなかったといいます。
むしろ、ハンゲのヘルプサイトの「Q&A」では、
複数のハンゲIDを作成することはできますか? ハンゲIDはひとつのメールアドレスにつき、3つまで作成することができます。
引用:ヘルプ(Q&A)
のように、3つまで作れるよ!なんて案内さえされています。
なので多くのプレイヤーはサブキャラを作成し、倉庫や待機キャラとして活用させていました。
今回、2月3日時点で、同一IPから多数のアカウントを接続したプレイヤーの多くが禁止事項に触れたとして入場規制されていました。
チョコットランドBBSやTwitter、公式サイト内ブログなどを見るに、
20アカウントほど量産して、今回のチョコスターイベントでポイント稼ぎをしようとしたプレイヤーがBANされたり、
期間中に10アカウント作ったけど規制されてしまいましたとか、
まったくイベントに参加していないけど、友達から預かった計12アカウントを管理していただけでもBANされていたりと、
かなりアバウトな状況で判断していたのが分かりました。
また、「9アカウントまでならセーフだけど、10個超えるとアウトかも」とか、
「チョコランを考えて50まではOKだが50超えたらNGとは「想定」してます」とか、
「見せしめの大量BANではないか?」とか
様々な憶測が飛び交っていることから、運営の判断基準に対して疑問を持たざるを得ません。
そもそも「一般的な利用で想定できない」とは
あいまい過ぎて誰が見ても納得しないだろう。
「一般的な」がどこまで一般的なのか、「想定」とはどういう条件・情況を想定していたのか。
配布イベントがくれば皆がサブキャラの分まで回収したいと思うのは当たり前ですし、
14年も続いてるのであればサブキャラが10体、20体程度居てもおかしくないと感じてしまいます。
一般プレイヤーが今回の配布イベントで真っ先に想定できていたアカウント量産を、運営が想定できていなかったとすれば、それはただの「無能」ではないだろうか。
チョコットランド運営の今後の動き
「チョコットランド」はかつて「チート部屋」、「マクロ部屋」(ルーム名に書かれているため、自分が不正行為をしていると明言しているようなもの)が立つほど治安が悪かった時期がありましたが、現在では運営の尽力により一掃され、目立った不正行為は一切なくなりました。
ここ3~4年では不正行為は激減し、三日前まで公式サイトのサイドバーにあった毎月の「不正行為に対する処罰実施について」の更新が2017年1月のまま止まっていたほどでした。
月々の違反者は10人未満がほとんどではあったが、それが今回の多数アカウントをいきなり入場規制するなど、あまりにも状況判断がおかしいと話題を呼ぶことになりました。
もちろんイベント期間に作られたサブアカウントのみならず、メインアカウントまで規制されているため、多くのプレイヤーの通常のゲームプレイに大きな支障をきたしています。
ただし、これらのアカウントの規制期間は明記されてはおらず、永久BANなのか期間付きなのかは分かっていません。
今回の騒動に対してのお問い合わせが殺到するのは目に見えているわけで、今後の運営の判断は「チョコットランド」というゲームの存続に大きくかかわるでしょう。
同一IPでしか判断できないのであれば、下手すれば数世帯の住宅やマンション、アパートでチョコランプレイヤーが多かったりすれば全員規制されてしまうというのも考えられますよね。
規制も今回のクエストの件に対するユーザーの苦情で動いたようですし、今までだってSP版ではログインのチョコスター目的で街のど真ん中で放置させてるサブアカウントも大量にいましたしゲームバランス崩壊なんて今に始まった事でもないですよね。
対応するにしても遅すぎるし、規制というのも極端ですし、今まで運営は何やってんだとしか言えません。
それに本文に書いてある通り、長年遊んでいたら遊び方に合わせてサブアカウントをたくさん持つというのもありますし10超えた辺りで規制とかが事実なら運営とユーザーの『想定される』という基準がかなり差があるようにも思えます。
私も長年遊んでおりサブアカもたくさん作成して複数のPCで同時ログインとかさせていたので対象なのではないかと焦りましたが問題ありませんでした。
安心して遊べるようにと運営は仰ってますが、今回の対応のせいで不安しか残らなくなりました。
コメントありがとうございます。
ごもっともですね。自らの不始末をユーザーに擦り付けてるだけのように考えられてしまいます。
ゲームの利用規約ははっきりと明確に示すべし、でなければこのような事態になってしまうという良い例になりましたね。
蓋をあけてみれば、39端末の規制だったので祭りでもなかったですね。
一人あたり5端末使ってたら8~9人だったワケですし。
今回ので1端末しか使ってなかったというのは考えづらいので少人数の人が騒いでた
だけでしたね。
誤BANを含めるとむしろ逆だと思います、自分の周りだけでも3人BANされています。その中にはチョコラン10年やってIDを1つしか作ったことがない人がいます。
それに、5端末でアカウント作成するより、1端末でしっかり操作した方が早いため、実際に誤BANも含め、BANされたと考えられる人は39人を上ると思います。
黒い砂漠に戻ってこないのですか!?
ブログはとても参考になる内容が多く、ステキです!(語彙力。。。)
生活の変化なのどいろいろあると思いますが、がんばってください!!
コメントありがとうございます!当ブログがみなさまの良き情報源になれたことはうれしく思います。
当初は自分が持て余していた「黒い砂漠」に対する知識をネットにばら撒き、プレイ中に思った「どうして?」を解消するお手伝いの様な形でお届けして参りました。
ギルメンやフレンドに「そんなに黒い砂漠の知識があるならサイトでも作ってみたら?」と度々言われたことが動機であり、初の自分のホームページからの発信という挑戦でもありました。
そのような記事を多数書かせて頂くことができたことに私自身も満足し、幾多の休止と再開で目まぐるしく変化する「黒い砂漠」を追いかけることに疲弊し…
こんなこと言うべきではないかもしれませんが、あれこれやっていく内に未来の「黒い砂漠」の限界を想像できてしまいました。
パールアビスの次回作「紅の砂漠」には期待していますが、黒い砂漠の復帰はまだわからないですね。